施工事例 古民家

再生した古民家や古材を利用した物件の紹介です。

楽蔵

 

静岡市内に築200年程経つお茶屋さんの蔵が残っていました。
以前からその蔵を気に入っておられたお客様が、蔵の解体計画に合わせて蔵を引取り、別荘として移築再生した建物です。

 

梁は全てケヤキ材で、大変太い材料を使用して建てられています。
移築解体時には剥がし落とした外壁漆喰の下から、昭和19年の静岡空襲による柱の焦げた跡が出てきた為、柱材は全て桧の新材に入れ替えました。

 

外観は元の蔵のイメージをなるべく残してデザインし、内部は玄関をくぐってすぐに上を見れば、太いケヤキ材の棟木まで見渡せるように吹抜けを設けてあります。

 

とてもロケーションの良い場所に移築することができ、二階の窓からは静岡を南北に流れる安倍川の清流を、まわりの山の緑と共に眺めることができます。

 

階段箪笥に江戸時代の年号が書かれていたり、柱に空襲の跡が残っていたりと蔵の過ごしてきた長い時間と物語を感じられる印象深い工事となりました。

 

物 件 概 要
構造 木造伝統工法 移築再生
間取り 2LD+K
床面積 延床面積18坪
用途 週末住宅 別荘
建設地 静岡県静岡市葵区

 



 

由比の家

 

駿河湾の宝石とも呼ばれる桜えび漁で賑わう由比の宿場町。その街道沿いに建つ間口3間の古い木造住宅を解体し、同じ場所に再度新築した古材利用の住宅です。

 

お隣の土地を新たに3間購入することで間口が広がり、お客様の希望する間取りの建物をゆったりと計画することができました。

 

外観は木材と漆喰と瓦屋根を組み合わせた古民家風の佇まいです。旧宿場町の雰囲気に違和感なく馴染むデザインを目指しました。

 

内部の壁は全て無垢の杉板張りと漆喰仕上げとし、一部古材の梁をアクセントとして見せる事で古民家の迫力ある躯体を再現しています。

 

建築計画が具体的に始まる前からお客様が集めていた数十本の古建具と、シティアート在庫の古建具を用途やサイズに合わせてすべて配置しました。

 

また建具だけでなく、お客様のコレクションの古い箪笥も全て収まるようにじっくりと設計のお打合せを重ねた末に完成したこだわりの建物です。

 

 

物 件 概 要
構造 木造在来工法 古材利用新築
間取り 6LDK+クローゼット
床面積 延床面積55坪
用途 専用住宅
建設地 静岡県静岡市清水区

 

 

 



 

曹洞宗 瑞雲寺

 

晋山式、いわゆる寺院のご住職の代替わりをする行事の記念事業としてご住職のご家族の住宅部分である庫裡と、参拝者様や檀家の皆様の集会場施設として一部を利用する建物です。

 

長い年月を刻んだ黒い柱が立つ本堂は一部改修して庫裡と接続しました。その本堂と接続する新しい庫裡も白木のまぶしい建物を目指すのでは無く木材の黒と漆喰の白、この二色のコントラストが生み出す静謐な空間を作りたいというご住職のお考えに共感し、古民家風のデザインでまとめました。

 

建具は障子と襖以外、全てシティアート在庫の古建具を利用しました。本堂と庫裡をつなぐ扉、また住居スペースと集会場をつなぐ扉など用途の違う空間の接続には全て蔵戸を利用し、蔵戸の持つ重厚な雰囲気が自然と境界としての役割を果たすように配置してあります。

 

これから何十年と建物を支える大黒柱には長さ9Mのケヤキ材を使用し、床下から棟までを1本で通してあります。
その大黒柱のまわりには、古い庫裡を解体した時に出た松の梁を捨ててしまわず再利用し、連綿と続く寺院の歴史を表現しています。

 

 

物 件 概 要
構造 木造在来工法 古材利用新築
間取り  
床面積 延床面積76坪
用途 寺院庫裡(住宅)
一部寺院集会場施設
建設地 静岡県静岡市葵区