丸太の積み木
ご自宅を解体した際に出る材料を利用して家具を制作するご家族に、家具制作で余った古材を利用してプレゼントの品を制作できないか、というご依頼をいただきました。
ご依頼をいただいた際のお話しの中で、お孫さんが使えるものが良いというご希望から積み木を制作することに決定しました。
おじいちゃんおばあちゃんが暮らしていた家の木材をそのお孫さんにお渡しするということ。
その意味を色々と考えた末に丸太の形をそのままパズルのように並べることができるデザインにしました。
お孫さんが遊ぶものですから出来る限りカドを丸くして、天然顔料を使用した植物性塗料のワイピング仕上となっています。
木目だけが手がかりのパズルは中々難しくそのヒントになるように、またオブジェとしてお部屋に置いた時の美しさのために片面の木口を市松模様に着色しています。
丸太の木目がつながっていない隙間を埋めるように白く細長い木が見えると思います。
この隙間は丸太の「背割り」といって木の割れがいろんな箇所に発生しないようにあらかじめ丸太の一部に割れを入れた跡です。
すべての材木が背割りされるわけでは無く、樹種や使用場所によって背割りをしない丸太もあります。
今回はちょうど背割りの入った材料だった為、建物で使われていた丸太の記憶として断面の形状をはっきりと残せる場所を選びカットしていきました。
「 おじいちゃんおばあちゃんのおうちには、こんなに大きな木が使われていたんだよ 」とお孫さんと会話をしながら一緒に遊んでいただけたら幸いです。
古い家の材料を残しておきたいがどうしたら良いかわからない、建物に使用するために保管していたがあきらめてしまった、などのお話しをお客様よりお聞かせいただくことがあります。
手元に置いておける古い家の記憶として、同じような積み木を制作をしたいお客様がいらっしゃればいつでもご相談ください。