写真の柱はF邸に使用するムクの杉柱に「番付」という作業をしている様子です。
番付とは材料の加工前にその材料が建物のどの位置でどんな向きで使用されるのか、使用箇所を決めていく作業のことです。
左側の材木には文字や数字が書かれており、右側の材木にはまだ書かれていないのが見えますでしょうか?
シティアートが得意とする古民家や古材利用の和風住宅は洋風の建物と違い柱がそのまま見える構造なので、柱にある節や入り皮などの表情がそのまま仕上がりに影響します。
そのため柱の節をなるべく目立たないように、玄関やリビングなどお客様が入居後に一番目にする部屋の柱にはなるべくきれいな材料を配置するためこの作業を行います。
1本ずつ全ての柱の4面を確認し、どの面がどこに見えてくるのか完成建物を想像しながら進めていくので中々手間がかかります。
この手間のかかる作業を職人さんや材木屋さんに任せっきりにするのではなく、シティアートでは建物を設計した担当者が直接行っています。
もちろん節のある木材も全て悪いものということではありません。強度は問題ありませんし、建物のデザインによっては柱の節を敢えて見せる事でその面白い表情を楽しむことが出来ます。
今回のF邸は古民家風の新築住宅ですが、和風モダンな要素もある建物なので壁面をなるべくシンプルに見せて古い建具や障子のデザインを際立たせるためにこの作業を行いました。
お客様に喜んでいただくため、また建物の細かな場所まで責任持って作業を進めていくために今後も人任せにしないで直接行っていこうと思います。
この材料は静岡の地元の材料です。静岡市では材木の地産地消を進めるために地元の木材を使用する住宅に補助金を利用できる制度を設けています。ご興味のある方は弊社木造担当までお問い合わせください。